
カーサ・クアトロ2階にあるギャラリーで目にした版画作品が気に入って、僕らは作家の名前を頼りにスタジオを訪ねることにした。版画家の名はエル・ピンチェ・グラバドール。旧市街の丘の上、石畳の美しいポシトス通りで人に尋ねているうちに、彼のスタジオへとたどり着いた。 「私の名前は外国人には難しいでしょう。ルイスと呼んでください」。ここグアナファトで生まれ育ったというルイスは、2005年にオープンしたというギャラリー・ショップの奥にあるスタジオへ僕らを案内して椅子をすすめた。これまで街で出会った陽気なラテン男たちとは明らかに雰囲気の違う紳士的で誠実な人柄を漂わせるルイスに、僕は若干の緊張を感じながら、出てきたコーヒーに静かに口をつけた。 「小さい頃から絵を描いてばかりでした」。ルイスは静かに話し始めた。「将来画家を目指していた私はフランシスコ・パトランという画家に弟子入りし、掃除や家事手伝いを…
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