コルシカ島はあんなに晴れていたのに、イタリア・リボルノへ到着するころには天候は崩れ曇りから雨となった。久々の移動に肩に食い込む前後に背負ったザックが恨めしい。港から日が暮れる前にと、早足で予約していたホテルへと向かった。そんなに長い移動ではなかったはずだけど、疲れが一気に押し寄せてきて近所でピザの切れ端を夜食に買って、早々に寝てしまう。何だかんだで久しぶりのプライベート。共同生活もいいけれど時にはこうした息抜きが必要なんだな。
Read MoreAu Revoir France, Ciao Itaria!
10日間近く滞在したコルシカ島の小さな村ロリアーノ。そしてリタとパスカルの家fotograficasaでの暮らしを思い出す。毎晩食卓を囲み写真や芸術の話をしパスカルの冗談に笑った日々がすでに懐かしい。濃密な時間の重なりが実際よりも長かったように思わせる。そんな日々の色々が、ひとりひとりと別れの言葉と抱擁の合間に押し寄せてきて心臓のあたりを締めつけた。そんな苦しさから逃れたくて、僕はさっと助手席に乗り込んだ。窓越しに見たオーテンスの表情があまりにもものうげで、僕はなんとも微妙な表情で最後の別れの言葉を告げることになった。パスカルはそんな辛さなど知らぬ様子で、バスチアまでの一時間の道のりも楽しそうに色々な話をしてくれた。風邪をひいているからハグとキスはなしだよ。と言うパスカルとの別れは明るくさっぱりとしたものだったけど、フェリーに乗り込む時に感じた、行き先に待つ人のいない焦燥感はなんともつらく…
Read MoreThe last day in Corsica.
今日はコルシカ島での最後の日。朝起きると部屋の窓から真っ赤な空が見えて、顔も洗わず急いで階段を駆け下りた。カメラのスイッチを入れてテラスに出ると、ぶわっと涙が出てしまいそうな空の色。色だけじゃない。その雲の形やマキナシオの港から見える地中海、遠くに見えるイタリアの小島。すべてが完璧に調和していて、ただただ幸せな気分になった。オーテンスとマシューがダイビングに向かったあと、明日からのイタリア旅程をアレンジしていたらデューンがこれから作品づくりのために外出するというので、ついていくことにした。fotograficasaから少し下ったところから小さな小道が別れていて数百メートル行ったところに、朽ちた教会がある。まるで映画のセット、ジブリの世界観を思わせる、ところどころ苔の生えたボロボロの教会。その付近にある雑木林で、デューンはパリから用意してきたという、森林の描かれた絵画をポスターサイズくらいに…
Read MorePerfect last dive!
2日間続いた強風、というか嵐もようやくおさまった。マシューの話だと明日には海も静かになるんじゃないかということだったけど、二人の気が変わって今日ダイブしてみようということになった。車のスペースがあるか確かめるから待っててと言われたので、もしかしたら二人だけで行きたいのかななんて日本人的な気遣いを発揮し、今日は遠慮しようかと思案していた矢先にふたりが笑顔で「Isao!スペース出来たよ!」って言ってくれるもんだから嬉しくなった。ダイビングの準備も板についたもので(と言っても僕はスキューバなんだけど)ウェットスーツやらゴーグルやらブーツやら色々をまとめて運ぶのもいちいち指示を受けなくて出来るようになっただけで、何だか彼らの一員になれたような気分。いつものように助手席に僕、後ろにオーテンスの配席で出発。眩い光が満ち溢れる山道をくねくねと進む。たった一週間だったけど、こうして同じ道を同じメンバーで同…
Read MoreIt’s good reason to work in a studio when it’s raining outside.
The first day at fotograficasa.
写真家のパスカル、リタ夫婦が15年前にここコルシカ島のCap Corse(キャップ・コース/島のなかにある島)に購入した17世紀頃に建てられた古い家。18世紀に大きく改装されたところまでの記録はあるが、具体的にいつ頃建てられたのかはわからないそうだ。購入した時はほとんど廃墟。パスカルとリタが何年も何年もかけて修理、改築、リノベートした彼らにとって大切な家。掃除が行き届いているのは週に一度来てくれる同じ村に住む人の仕事によるもの。至る所に写真や絵画がかけてある。小さいけれどアンリ・カルティエ=ブレッソンのオリジナルプリントがさりげなく。イタリアかどこかの下町で両脇にワインボトルを抱えてはにかんだような表情の少年の写真。淡いオレンジと白を基調にした壁の配色。剝げかけたペンキが熟れた雰囲気を演出してるし、同時に乾いた地中海の古い邸宅というイメージを与えてくれる。ぱりっとのりのきいたシーツと新しい…
Read MoreNice – Corsica
ニース・ヴィル駅からトラムに乗ってGaribaldi駅で降り、15分ほどでニース・フェリー港へ。Wifiが嬉しい。グミとレモンジュースを買って巨大なフェリーへ。しばらくデッキに出て海を眺めていたけれど、恐怖を感じるほどの強風に怯えて中へ。心地良いソファーに横たわっているうちに5時間はあっという間に過ぎた。途中で目覚めてコルシカ島での撮影スケッチを済ませるなど。コルシカ島に到着するころには日は落ちて真っ暗に。バスチア港に降りるとパリでの広告撮影の仕事を終えた足で迎えにきてくれた、fotograficasaオーナーのパスカルさんが待っていてくれた。彼の運転するトヨタLAV4(懐かしい!)に乗って写真や仕事、コルシカ島について話しているうちにレジデンスへ到着。奥さんと16年前に購入したという18世紀頃に建てられた邸宅らしい。朝が楽しみだ。
Read MorePreparing for diving in Nice.
ニースでは、水中撮影のための準備を整える。カメラはNikon1 AW1と迷ったあげく結局Go Pro4 Silverに。ワイドすぎるレンズが気になるけれど、今後の活動を考えての選択。記憶力の乏しい僕にとって、取材でのレコーディングはかなり大事。今まで使ってたEOS60Dに代わって活躍してくれそう。とりあえずダイビング用に頭に取り付けることができるヘッドストラップを合わせて購入。あらゆる撮影状況に対応した周辺エキップメントの豊富さに感心する。ニースでは、Gale de Nice Ville(ニース・ヴィル駅)から伸びるトラムの走るジャン・メンドウサン通りから一本入った便利な場所にあるHostel Pastoralに泊まった。スタッフも良いし、何しろきめ細かな掃除が行き届いていて気に入った。朝食にでる黄色くて甘い食パンにはまってしまった。あと、ホステルを出て左手すぐにあるケバブ店も安くてうまい…
Read MoreColombo, Sri Lanka – Nice, France
スリランカ・コロンボ バンダラナイケ国際空港から成田に向かう妻の飛行機が0時に飛び立った。その2時間後、僕の乗る飛行機は、ロンドン・ヒースロー空港でのトランジットを経てフランス・ニースへ到着。ここでモロッコ旅行以来のロストラゲッジ。ラゲッジクレイムカウンターでの手続き中、係の女性たちに飼われているスズメに和む。カウンターに放されて餌をついばんでるなんて。そんな些細なことでニースはいい街なのかもしれないなどと気分が少し上向く。どうせすぐに見つかるし、あの思いリュックを宿まで届けてくれのだからまぁ良い。こじんまりとした静かな空港から外に出ると想像以上の寒さに震える。バスが数台停車していたのでセントロへ向かいそうなバスに乗り込む。地中海沿いを走るバスの車窓から見えた海の青さはこのさき忘れることはなさそうと思えるほどの美しさ。曇っていてこの色だなんて、きっとビーチは貝殻か石なんだろう。市街地でバス…
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