ギャリー・ロビンスの取材のため訪れていたイェール・ユニオンで写真撮影をしていると、一瞬まわりの雰囲気がふわっと軽くなったような気がしました。明るい笑い声に振り返るとたまたま遊びに来たというアーティストのステファニー・スィミックがここで働く人たちに囲まれてにぎやかに話をしています。イェィール・ユニオンのオーナー、カーティスに紹介された僕は、彼女がどんな表現をしているのかと聞いてみると、サボテンに電流を流してラジオをつくるだとか、微生物を育ててネオンランプをつくるだとか、興味を持たずにはいれない幾つかのプロジェクトを説明してくれました。だけどそうした作品への好奇心以上に、僕は彼女の大きな目とつられてにやけてしまうような、パァっとした笑顔に惹かれ、後日彼女のスタジオで再会する約束をしました。数日後、10月半ばだというのに初夏のような日差しに汗を流しながら教えてもらった住所に辿り着くと、そこは大型トラックが荷を降ろす倉庫街。絶対間違えてるよなぁと恐る恐る呼び鈴を鳴らすとしばらくしてドアが開き、バービー人形のような長いまつげをしたステファニーが先日と同じパァっとした笑顔で迎えてくれました。
Stephanie Simek
http://stephaniesimek.com
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