ブレアをはじめ8人のアーティストが在籍するToday Art Studios(トゥデイ・アート・スタジオス)。この施設を経営するのがアーティストとして20年のキャリアを持つジョン・ブロディだ。巨大なプレス機、ボロボロのソファー、壁に掲げる皮肉を含んだメッセージ。無数のアートピースで溢れるジョンのスタジオはまるで小さな遊園地。アーティストとして精力的に活動を続けながらも様々な分野に挑戦する実業家としての才能を合わせ持つ一風変わったアーティスト、ジョンを訪ねた。 「忙しくしてるのが好きな性分でね。そうすることで新しいアイデアが生まれてくるし、生活に活力と勢いが出る。いつも緊迫感を持っていたいんだ」今回訪問したスタジオ施設トゥデイ・アート・スタジオスをはじめモノグラフ・ブックワークス、そしてノースウエストの人気レストラン・バー、Le Happy(ル・ハッピー)を経営するジョン。過去にはバンド、P…
Read MoreJournal
Parma to Bologna
【note】 午前9時にハンス君と一緒にホステルをチェックアウト。八百屋で水とリンゴを買う。炭酸抜きかどうかを確認。最近気がづいたけれど思ったよりも英語が通じる。イタリアに来て4日目にしてようやく晴天。曇天はイタリアになんだか似合わないと晴れた街並をみて再確認。イメージと違うというか…。ハンス君がフィルムカメラで僕の写真を撮ってくれた。シャッターを押した瞬間なぜか、ザックのショルダーが壊れた。とりあえず結んで応急処置。イタリアだからなおしてくれる職人とかどこでもいそう。どうしてもエスプレッソで目を覚ましたくて、適当なカフェテリアへ入り、甘いパンと一緒にダブルで注文。テーブルの上にクリームの乗ったパンを転がしてしまい高校生のように大笑い。ハンス君は、BlaBlaBlaというカーシェアリングサービスを使って、これから海沿いの小さな街へ行くというのでここでお別れ。チケット売り場まで見送ってくれた…
Read MoreLivorno to Parma
【note】 朝、荷造りをして宿に荷物を預け、近所に開かれていた土曜市を見に行く。ハムやパン、果物を買って宿から荷物を引き取り、バスに乗り、中央駅を目指す。黒人二人組に対する差別的な発言をする初老の男。それをバスを止めて大声で非難・説教するバス運転手。肩をすくめる乳児を抱いた移民の女性。バスを降りるときその女性からパンツのポケットより財布を抜かれそうになる。スリが多いとは聞いていたが、早速の未遂事件発生。尚も金をせびるその女性にいっそ怒鳴りつけようかとも思ったけれど、余計なトラブルに巻き込まれている場合でもないので無視してやり過ごす。チケットを買い、列車に乗る。本当は一泊したかったけど宿が高くて断念したラ・スペツィアで降り、一時間後にやって来たミラノ行き列車に乗り換える。2時間後、この日の宿泊先、パルマへ到着。ホステルまでは歩いてわずか5分。手入れの行き届いたドミトリーだった。台湾人のハン…
Read MoreArriving in Livorno, Italy.
コルシカ島はあんなに晴れていたのに、イタリア・リボルノへ到着するころには天候は崩れ曇りから雨となった。久々の移動に肩に食い込む前後に背負ったザックが恨めしい。港から日が暮れる前にと、早足で予約していたホテルへと向かった。そんなに長い移動ではなかったはずだけど、疲れが一気に押し寄せてきて近所でピザの切れ端を夜食に買って、早々に寝てしまう。何だかんだで久しぶりのプライベート。共同生活もいいけれど時にはこうした息抜きが必要なんだな。
Read MoreAu Revoir France, Ciao Itaria!
10日間近く滞在したコルシカ島の小さな村ロリアーノ。そしてリタとパスカルの家fotograficasaでの暮らしを思い出す。毎晩食卓を囲み写真や芸術の話をしパスカルの冗談に笑った日々がすでに懐かしい。濃密な時間の重なりが実際よりも長かったように思わせる。そんな日々の色々が、ひとりひとりと別れの言葉と抱擁の合間に押し寄せてきて心臓のあたりを締めつけた。そんな苦しさから逃れたくて、僕はさっと助手席に乗り込んだ。窓越しに見たオーテンスの表情があまりにもものうげで、僕はなんとも微妙な表情で最後の別れの言葉を告げることになった。パスカルはそんな辛さなど知らぬ様子で、バスチアまでの一時間の道のりも楽しそうに色々な話をしてくれた。風邪をひいているからハグとキスはなしだよ。と言うパスカルとの別れは明るくさっぱりとしたものだったけど、フェリーに乗り込む時に感じた、行き先に待つ人のいない焦燥感はなんともつらく…
Read MoreThe last day in Corsica.
今日はコルシカ島での最後の日。朝起きると部屋の窓から真っ赤な空が見えて、顔も洗わず急いで階段を駆け下りた。カメラのスイッチを入れてテラスに出ると、ぶわっと涙が出てしまいそうな空の色。色だけじゃない。その雲の形やマキナシオの港から見える地中海、遠くに見えるイタリアの小島。すべてが完璧に調和していて、ただただ幸せな気分になった。オーテンスとマシューがダイビングに向かったあと、明日からのイタリア旅程をアレンジしていたらデューンがこれから作品づくりのために外出するというので、ついていくことにした。fotograficasaから少し下ったところから小さな小道が別れていて数百メートル行ったところに、朽ちた教会がある。まるで映画のセット、ジブリの世界観を思わせる、ところどころ苔の生えたボロボロの教会。その付近にある雑木林で、デューンはパリから用意してきたという、森林の描かれた絵画をポスターサイズくらいに…
Read MorePerfect last dive!
2日間続いた強風、というか嵐もようやくおさまった。マシューの話だと明日には海も静かになるんじゃないかということだったけど、二人の気が変わって今日ダイブしてみようということになった。車のスペースがあるか確かめるから待っててと言われたので、もしかしたら二人だけで行きたいのかななんて日本人的な気遣いを発揮し、今日は遠慮しようかと思案していた矢先にふたりが笑顔で「Isao!スペース出来たよ!」って言ってくれるもんだから嬉しくなった。ダイビングの準備も板についたもので(と言っても僕はスキューバなんだけど)ウェットスーツやらゴーグルやらブーツやら色々をまとめて運ぶのもいちいち指示を受けなくて出来るようになっただけで、何だか彼らの一員になれたような気分。いつものように助手席に僕、後ろにオーテンスの配席で出発。眩い光が満ち溢れる山道をくねくねと進む。たった一週間だったけど、こうして同じ道を同じメンバーで同…
Read MoreIt’s good reason to work in a studio when it’s raining outside.
The first day at fotograficasa.
写真家のパスカル、リタ夫婦が15年前にここコルシカ島のCap Corse(キャップ・コース/島のなかにある島)に購入した17世紀頃に建てられた古い家。18世紀に大きく改装されたところまでの記録はあるが、具体的にいつ頃建てられたのかはわからないそうだ。購入した時はほとんど廃墟。パスカルとリタが何年も何年もかけて修理、改築、リノベートした彼らにとって大切な家。掃除が行き届いているのは週に一度来てくれる同じ村に住む人の仕事によるもの。至る所に写真や絵画がかけてある。小さいけれどアンリ・カルティエ=ブレッソンのオリジナルプリントがさりげなく。イタリアかどこかの下町で両脇にワインボトルを抱えてはにかんだような表情の少年の写真。淡いオレンジと白を基調にした壁の配色。剝げかけたペンキが熟れた雰囲気を演出してるし、同時に乾いた地中海の古い邸宅というイメージを与えてくれる。ぱりっとのりのきいたシーツと新しい…
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