【note】
午前9時にハンス君と一緒にホステルをチェックアウト。八百屋で水とリンゴを買う。炭酸抜きかどうかを確認。最近気がづいたけれど思ったよりも英語が通じる。イタリアに来て4日目にしてようやく晴天。曇天はイタリアになんだか似合わないと晴れた街並をみて再確認。イメージと違うというか…。ハンス君がフィルムカメラで僕の写真を撮ってくれた。シャッターを押した瞬間なぜか、ザックのショルダーが壊れた。とりあえず結んで応急処置。イタリアだからなおしてくれる職人とかどこでもいそう。どうしてもエスプレッソで目を覚ましたくて、適当なカフェテリアへ入り、甘いパンと一緒にダブルで注文。テーブルの上にクリームの乗ったパンを転がしてしまい高校生のように大笑い。ハンス君は、BlaBlaBlaというカーシェアリングサービスを使って、これから海沿いの小さな街へ行くというのでここでお別れ。チケット売り場まで見送ってくれた。台湾に行ったとき会えたらいいな。Facebookはこうした約束をかなりリアルなものにしてくれたなと思う。5分後に到着した列車に飛び乗り1時間。イタリアは小さい。知らなかった。車でシチリア島まで行っても13時間。北部での取材が終わったら、ボローニャから南イタリアをぐるっとまわってみよう。ボローニャ駅を出ると大きな通りをはさんで“焼き肉”の文字が見えた。日本食レストランだ。となりに中華もある。昼はこの中華にしよう。歩いて20分ほどでホステルの近所まで着いた。旧市街の中の好立地だ。日向ぼっこをしてる犬連れの男性があまりにも気持ち良さそうで、その隣に荷物を降ろして座り込んで音楽を聴く。たしかに気持ち良い。太陽がこうして照らしてくれるだけで気分がこうも変わるものか。久しぶりに前向きな気分になった。ホステルはハンス君が教えてくれたところで、確かに清潔でセキュリティ、サービスもしっかりしていた。これで一泊20ユーロ。素晴らしい。同室は、フランス人の女の子二人組と、中華系イギリス人のヴィンセント君。中国人の両親のもと、イギリスで育った彼は一年前より中国に住みだしたそう。日本語とフランス語を同時に勉強中だという。近々中国でラブホテルビジネスをはじめるそうで、今はヨーロッパ各地を旅しながらデザイン的なヒントを集めているのだそう。そういった目的があればまた違った見方で街を見ることができるんだろうな。僕なんかもうこんな素晴らしく歴史ある街並を前にして、どう感じていいのかもわからなくなっている。本当に残念なことだと思う。観光客のあふれる観光地というだけで変に敬遠してしまうこのくだらない感覚をどうにかしなくてはと、彼の話を聞いて思った。このままだときっと何か大切なものを見逃してしまいそう。
Comments