「この国で芸術家として生きるには、筆を持つ以前に意志と覚悟が必要なんだ」 ハバナから南東へバスで6時間、かつてサトウキビ取引と奴隷売買で繁栄した 古都トリニダーで活動する画家のアレックス・セペーダは、そう言って笑顔を見せた。 「そもそも筆やアクリル、カンバスといった画材の入手が難しいんだ。買う余分な金もない。 2人の小さな子供もいるし、このスタジオの支払いもある。なかなか簡単ではないよ」 アレックスは真新しいカンバスに丁寧に下地を塗りながら肩をすくめる。 「でもね、目の前にある限られた道をどれだけ豊かな気持ちで歩けるかが重要。 自分の人生を愛するんだ。女性や音楽のようにね。それがこの国の男の生き方だ」 “To live in this country as an artist, you first need a strong will and commitment before you e…
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