滞在しているメキシコシティのホステルに荷物を預け1週間のキューバ旅行へ出かけた。そもそもが長い旅行中のようなものなので旅行もへったくれもないけれど、とにかくカリブ海の対岸に憧れの楽園があるのだ。今行かずにいつ行くのだ。僕らは早速安い航空券を購入し、ホステルに沈没中の旅人たちから情報を集め、キューバへ飛ぶこととなった。キューバ渡航にあたって、ひとつ小さな任務のようなものがあった。それは先にキューバ入りしている友人にハバナでIDカードを手渡すという簡単なものだったけれど、インターネット環境が無いに等しいキューバでは少し困難なことにも思えた。メキシコシティのホステルで相部屋だったその友人はマイカという名のカナダ人で、彼と妻と僕の3人はいつも行動を共にしていた。彼が1週間前にホステルを発つ時には涙ながらに別れを惜しんだ仲だった。 そんなマイカはある語学エージェントに登録していて、旅をしながら世界各…
Read MoreTercio Ribeiro
リオ・デ・ジャネイロ中心地にある小高い丘サンタテレーザで カヴァキーニョ(ブラジルの弦楽器)工房を営むテルシオ・ヒベイロ。 6年前、国立病院に勤務する医師から転向し、ルチエ(楽器職人)として新たな人生を歩み始めた。 テルシオの作る美しいカヴァキーニョの音色は瞬く間にリオのミュージシャンから支持を集めた。 現在はリオ随一の人気ルチエとして活動する傍ら、 再び医師としてパラチーという貧しい町へ週に3回の訪問診療を行っている。 訪問診療のために通う町パラチーは、ふたりがハネムーンで滞在した思い出の場所。 医療の行き届かない貧しい地域に住む子供たちと話をするうちに、 彼らの声を集めたドキュメンタリーフィルムを制作することを計画するようになったというテルシオ。 新たな分野へ挑戦することに恐れはないのだろうか? 彼は、僕の問いにこう答えた。 「医師として、ルチエとして、世の中を少しでも良くするチャンス…
Read MoreCintia Cris
僕らはタクシーをチャーターし、歌声をたどるように ラウロ・ジ・フレイタス市アレイア・ブランカ地区という郊外までやってきた。 サルヴァドール市街地から幹線道路を東へ15キロほど走った所にある小さな村だ。 いかにも南米らしい鮮やかな鳥たちが歌うペットショップの前で待っていると 二人乗りのスクーターが突然現れて目の前に止まった。 「ムイート・プラゼール、アミーゴス!」 瑞々しい果実のようなキスで僕らを迎えてくれた美しい女性こそが 宿のテラスで聴いた歌声の持ち主、シンチア・クリスだった。 シンチアにとって初めての舞台となったのは、サルヴァドール・イタプアにある公立学校のステージだった。8歳の時のこと。「父が真剣な表情でお前には才能がある、と何度も何度も褒めてくれたのを覚えてる」。それ以来、シンチアの家にはキーボード、打楽器やバイオリンなど様々な楽器が増えていった。「特に嬉しかったのがマイクとギター…
Read MoreCatherine & Martin
There’s a cultural facility in Guanajuato’s old city center called “Casa Quattro” – its concept is to merge art, design, and food. I met Catherine there, an artist who uses silver as her medium, in a small studio surrounded by colorful colonial buildings. I became interested in the story behind how she settled here in Guanajuato after growing up in Belgium. Catherine studied fine art in Namur and …
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