
音楽家でありながら、ピアノ調律師としても活動する内田輝さんをご存知でしょうか。内田さんの演奏や音源を聴いたことのない方でも、例えばharuka nakamuraさんの楽曲や各地で開催される演奏会などで、あるいは映像音楽として、彼の奏でる美しい音の響きを耳にした方は意外と多いかもしれない。彼は今、名古屋の工房で楽器製作家の安達正浩氏のもと、14世紀に考案されたクラヴィコードという鍵盤楽器の製作を行っている。「今、京都の清水寺の舞台板を使って楽器を作っているので見にきませんか。」今年6月のはじめ、そんな内田さんから連絡をもらった。彼に初めてお会いしたのは6年前、篠山で開催された音楽会以来だったから突然の便りに驚いたといえばそうなのだけど、それより京都清水寺の舞台板で中世の西洋楽器を作っているという、その厳かな言葉の連なりに激しく好奇心を揺さぶられた。 このコロナ渦において長らく鳴りを潜めてい…
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